ひとりフリマ


ウチの双子は1歳3ヶ月となり、初めてわたしはひとりで
フリマに出店した。
ほんとは女子3人くらいでわきあいあいとやりたかったのだが、
同世代は育児や週末くらいゆっくりしたいとか、いろいろ事情があり、
のきなみ断られた。
唯一のフリマダチには、急なご懐妊でつわりがひどいとか、
フリマ2日前にキャンセルされた。
さみしいが、これも大人の通過儀式、と歯を食いしばって、やってみた。
この歳になって要らないものは、若いころ好きで着ていたサイケ古着。
あと、革のブレスとか、革のマスクとか、手錠とか、指手錠とか。
ゴルチェのコルセットとか。シースルーのネグリジェとか。


いや、90年代はボンデージファッションが流行ったんだって。
マドンナとか、ほら、写真集でパワーウーマン気取ってたじゃん。
アノ時代は、それ系の人じゃなくても、サブカルでファッションで
装身具として、ボンデージテイストふんぷんとさせた人いっぱい
いたんだって。
ほんとう、に。



でもわたしのブースに立ち止まる客みな、人の顔覗き込むようにして、
にやにや。
「これで遊んだの」「責めるのすきなの」「いやらしいなぁ」
セクハラおやじが来るわ来るわ、一坪観光地みたいな。


うるさいなぁ、買わなくていいよ。
途中からまともに相手するの面倒になって、
「昔バンドやってたんで、全部衣装です」と
うそつきだした。

そうすると、「何系のバンド?」ってつこんでくるやついるのな。
「ゴスビジュアルパンクです」(??)
「Xみたいな?」
「・・まあ・・」
「おねぇさん、なに担当?」
「ボーカル」(えらい音痴だけど)
「へぇ・・」
話おわり。


今回は明治公園に出店したのだけど、冬に新宿中央公園でフリマ
やった時、水色のハイヒール1000円に執心な中年男がいて、
小柄ではげめがね・どぶ色の衣類着て、まったくさえないんだけど、
なんでか、そのハイヒールが気に入ったらしく、自分の足に合うか、
毛玉だらけの靴下で、そっと靴に差し入れる姿をみて、ぞっとした。
傷が3箇所ついてる、500円なら買う、とみみっちいこと言うから、
「せめて800円。それ以下(おまえに)なら売らない」ときっぱり断った。
そいつがまたしてもここに。
やっぱり、うっとり・垂涎のまなざしで水色を手に取る。
以前と同じように500円、と言うから、ひったくって「無理」と蹴散らした。
30分後、男はもどって来て、800円で買っていった。
そうとう欲しかったらしい。


わたしにとってのゴミ・要らないものが、意外に売れたりするのは、
錬金術として楽しい。
でも、こっちは100円500円とワンコイン、今流行のワンコイン・フリマ
やってるのに、意地汚く値切る輩はいるし、しみたっれに品物検分する
業者いるし。
やっぱ、フリマきらい。