女鹿と呼ばないで。

箱マダムは「罠」って劇団主催してたんですよ。
最近やめたんですけど。
や・当時から「じぶん、役者やってます」とか「ホン書いてます」
とか顔上げて言えるほどプライド持って・あれしてたんでもないんです。
羞恥の沙汰ですからね。
うまい役者でもなかったし。そもそも他のお芝居見に行かないし。
だって吐くほどつまんないんし。
ドブスのヒロインっぷりとか、テレビサイズの「笑い」とか。
手作りの衣装とか。気持ち悪い歌詞付のBGMとか、ね。

お芝居きらいなわたしがなんで自分の劇団やってたかっていうと、
自分の屈託を客観的に自分が見てみたかった。
脚本テーマはもっぱら「神」と「愛」についてで。
いや、それしかなくて。ひとに盲目的服従を強いるでしょう?
憎くて。もうすっごい憎くって。若いころから私怨温めてて。
それでお芝居作ってみました。3回やってようやく人心地つきました。
ああ・そんなんでいいんですよ。
観客にショックを与えて心かき乱したらわたしの勝ち、っていう。
勝ち負けですか? まあ・もうお芝居はやめたんです。
許してつかあさい。

「罠」最後の公演で主役やってた男女がこんどお芝居をやります。
徒花(アダバナではなく)トカという劇団です。
9月、阿佐ヶ谷の小さい劇場でひっそりと公演があるのですが、
きっとすばらしいと期待してます。
つつましいようで大胆、やさしいようで焔。
そういう脚本をさらっと書いてしまうのが甲斐くんという人です。
箱マダムのようにおとな気なくお芝居にとりくんだりしてませんから
作りが丁寧です。
どうぞ観に行ってください。箱マダムも開け閉めして行くつもりです。
これ、公演の情報です→http://www.tocadan.com