帰り。

帰国してはや1週間。
なんかまだ眠くて。へんな時間に眼が覚めるし。これっていわゆる
ジサボケ?いまだ時差にふりまわされたことなどないから実感、
人体の驚異。

メキシコは、汚かったですよ。
すさまじくマナーの悪い車に、渋滞排ガス。
鋪道はぼこぼこで、マンホールは開けっ放し。
汚物とゴミがあふれ、市場を往けば腐敗臭と香辛料のにおい。
こどもの顔は鼻水と汚れ。アイスを食べ歩きすると一口舐めさせろ
と寄ってきて胸を揉む。(箱マダムは黒柳徹子ではないので徹底拒否)
困ったのが、トイレ。
日中は暑いので水をよく飲むのだが、公衆トイレなど無いから店に
入り、借りる。女性用なのに、ちゃんとした飲食店なのにことごとく
「U」便座が外されていて(ネジ痕あり)困惑。
あれ・この地は皆立ちション?
それ自信ないから腹に力入れて腰浮かし用を足す。排尿困難。
ヨガ習っててよかった。「イスのポーズ」が役に立つ。
拭き紙は流すと詰まるから、便器脇のくずかごに溜める。


「インドとか行くと日本人ホント甘えんなって思うよ。
ガチンコで世界まわって、あたしもやっぱ成長した」
ってツアーで一緒になった日本人女(スッピン、おそらく30台目前。
頭にはバンダナ、乾燥した汚い爪してぞうり)が言ってた。
会話はしなかったけど、会話盗み聞き、彼女の家族構成、恋愛経験、
日本でのバイト生活とか想像しちゃった。
箱マダムが棲む日本は清潔で過剰なサービスが鼻につくけど心地よく、
安穏すぎて白痴になり、さらに妄想ふくらみ狂暴化しつつあることに
気づいているけど、やっぱり棲むとこはここと思うので、旅先の外国
で嗅いで見ていっとき嫌悪を感じ感銘を受け、忘れるし。
今さら価値観はゆらいだりしない。


目的だった「死者の日のメキシコ」は堪能しました。「死者の日」なんて
おどろおどろしい名前だけど、いわゆる日本のお盆みたいなもので。
シャレコウベ型の砂糖菓子(落雁風)がパン屋にあふれ、
家や店の軒先にカラフルな祭壇を設え、町中が骸骨だらけ。

夜になると墓地には灯して家族が集い、墓石に腰掛け飲み食いする。
夜中まで楽団が人々を連れて練り歩き、花火があがる。
そんな愉快な慰霊祭でした。
箱マダムにとって骸骨はゴス・デス・メタルの象徴ではなく、もっと軽妙で
ファニーで愛らしいものです。
ポール・デルヴォーの絵画やディエゴ・リべラが描いた骸骨貴婦人みたいな。
骸骨美人といえばカトリーヌ・ドヌーブ
今のもったりした老醜まじりのではなく、60.70年代の、美しい顔の骨格が
見られる頃のな。頬骨が高く、皮膚の薄い感じ。すきっ歯むきだしの笑顔は
そら恐ろしいし、美しいし。
メキシコで彼女のような骸骨貴婦人に出会ったのだけど、意外と高価で手が
出ませんでした。  



もっと旅の詳細を知りたい方はハズバンドのプログを探して読んでください。
ははは・・。