惑い

バーゲンですね。
新春なにに浮かれるって、バーゲンですよ。
金は無くともセールの文字が踊るところわたしの居るところ。
あー、散財しちゃった。
毛皮の帽子とか、毛皮の帽子とか、指輪とか指輪とか。
同じようなものしか買ってない。眼が広がらないの。
気に入るとそのアイテムばっかまとめ買いしちゃうから。
あとね、新宿三越地下にできたアナスタシアって美容サロンで
アイブロウキット購入。
サルマハエックがここのロス店でゲジゲジのメヒコ眉を、
抜いて抜いてハリウッド風に設えてるって話だから、
箱マダムもいっちょ高慢ちきな眉の形に整えてもらおうと思って。
抜かれたねー、屈辱的なほどごっそり。
今までぜんぜん(眉の描き方)間違ってましたね、って
眉だけ堂々とした薄い顔だちの店員に断言され、
人生これで取りかえせるかもって幻惑まじりの心地になった
ええ・そうかもしれませんって。
こりゃ知人友人見たら仰天するでってほど偽眉描きにのめりこんだのでした。
無いとこは自前が生え揃うまで描き込みごまかすのだけど、
嘘でもいいと思ってました。

ヨガでね。

わたしの通ってるヨガ教室はホットヨガとも呼ばれるような
37℃ほどの室温の中でやるものだから、かなり汗をかく。
生徒たちは正面の鏡でポーズの姿勢確認するのが決まりで、
鏡をじぶんの姿をしっかり見てください、と先生から指導を受けるたび
どきりとするのだけど、それは不自由なポーズ姿の女がみっともない
わたしを見ないでくださいと哀願のまなざしで鏡の中から見つめかえす
からでありやがて女があきらめたように放心のていで見つめかえしてくる
のがいつも気の毒でならないからだったのだが、この日は、
眉がまばらでいつもよりまぬけ味を加えた女が鏡の中で魚のような面相
でぬっと見つめかえしてきたものだから、動揺して片足で立って抱えた
もう一方の足を取り落とし、転んだ。
ありゃ、眉墨落ちたわたしの顔だ。

見られん。わたしがFUMI-YAくらい自信たっぷりに振る舞えるならば
いいんじゃねぇ?それもジブンってことでありじゃね?って
黒ブチ眼鏡のFUMI-YAがにやり笑うって肯定を得れば、楽かなぁ・・。
しおれながらテレビ見てたら、FUMI-YAがテレビトーク番組で肯定してる場面
に出くわし、そんな気の迷いも起ったのだけど、

やっぱいやです。FUMI-YAは箱外のものです。