悔い改めよ

頬に「ORGASM」塗ったくってる箱マダムですが、
泣き虫でもあります。
感情に作用する「虫」といえば、「癇の虫」も飼ってます。
強力です。
日ごろから悪態ざんまいなので「虫の居所が悪いの?」
て聞かれるのがフツーです。
昆虫好きだしね。
特に「蜂」がすきです。ロクシタンの石鹸でも、
たとい刻印が溶けて無くなれでもなんでも買っちゃいます。
なりたい職業とか、養蜂家がいいなぁ。
蜜の生活。

蜂への想いは尽きないので、
箱マダムがはからずも「大泣き」した話ですが、
そう・べつに泣きたくて、映画「おばあちゃんの家」を
みたんじゃありません。
あたくし、ラブストーリーや人の生き死にを映画で観て泣くことは
まずありませんけど、
この映画ばかりは後悔と惜別と責罰と感傷が全身を巡回して、
こりゃどうなもならんとしおっからい体液が溢れだしたまでです。
地味な韓国映画ですが、イケメンも粋な恋のかけひきもない、
体の不自由なおばあちゃんの住む山間の話ですが、
これがわたしの思い出といくつも重なり愛おしいような憎いよな
吸引力のある映画です。


生活に追われる母親がじぶんを構ってくれず、テレビゲームとジャンクフード
を与えられひとりきりで留守番させられることの多かった少年は、
母親の職さがしの間、町中までバスを2本乗り継ぐほどのド田舎に独り住む
祖母の家に預けられることになり、あばら家で粗末な衣類を着たきりの
耳と口が不自由で腰の曲ったおばあちゃんを汚いだのうすのろだの貧乏だの、
親と離れた寂しさと鬱屈から、まあ悪態づくしのわがままほうだいで、
箱マダムは「おばあちゃんになにすんのよ!」「土下座謝って泣け!」
「殺すぞ!」「わーん、ひどいよ(以下大泣き)」と
画面に向かって忙しなく怒鳴ってました。
皺とシミだらけで日焼けしたおばあちゃんの顔でしっかりと光る眼は、
とほうもない孫のわがままや癇癪を、
受けとめて愛すと言葉のかわりに語るのです。
こりゃいかん。


わたしも親と離れて祖母の家に暮らす幼年時代を過ごしてきました。
家族との確執あって、祖母の家に置いてもらっていたのに、
内職に励む祖母の手伝いをするでもなくぼんやりしているわたしに、
気性のはっきりした祖母が憎まれごとをぶつけると
荒々しく言い返してみたり、年寄りの作る食事がまずいだの文句を言って
叱られたり、今おもいかえせば赤面と涙がとまりません。
いまや亡き人になんの言い訳も感謝も届きませんし、
きっと故郷に帰っても祖母の仏壇に手をあわせることはありませんが、
この映画を観て自分の中で結びついたものは箱に入れときます。


改心するなら、この映画のホームページへ。
http://www.cinemabox.com/obaatyan/introductionstory.htm