呪縛

箱マダムは近眼なんですけど、コンタクトレンズを受け入れる
角膜の耐久年数はあらかじめ決まっている、と人づてに聞いてから、
そう、一生コンタクトのお世話にはなれないんですってよ。
それ以来毎朝コンタクトレンズを嵌める作業が怖くてなりません。
角膜が、わたしの角膜さんが、「もうこんなのイヤだー」って
わたしの指先に付けたソフトレンズをぐいっと突き返してきやしないかと、
不安ですね。
そんな脅迫観念から逃れるように、眼鏡を買うようになり、
ザ・TPOにあわせたカラーやフレームのあれこれを求めるようになり、
気がつけば6つも持っている次第です。
気がつけば、っていうか、クロコダイル張の眼鏡箱に収納している
くらいだから確信的に収集してるんですけどね。
ひと頃、メガネは猿とセットになって、ネガティブなブスの条件のひとつ
だったわけですが、トミーフェブラリ−の功績あってか、
今や「眼鏡してても美人っ娘」が闊歩するようになり、
それはまあ、いいことですが、
・・個性的な眼鏡フレームはほんとうにモテるのですか?
「あれさえなければ・・」
と男子に思われてないですかね? 
やっぱり正当派の金縁・縁なし・銀縁の三大眼鏡が、ほんとうの美人ならば
その造作を生かし殺さず、知性を添え、品を与えると
箱マダムは信じておるわけです。
眼鏡にファニー、キュートを追求してはならん、と戒めて。


コンソメって眼鏡屋が最近気になります。
日本橋コレド店にも行きましたけど、最近オープンした渋谷フレーム館
にも行ってきました。
あ・「フレーム館」って建物の名前で、オルゴール館とかの
収集の館名ではありません。
この店、皿に眼鏡を載せてディスプレーしてみたり、
眼鏡は食べるものじゃないんですが、どうしても食とリンクさせたいらしく、
マダムはべつにそれ・お洒落とは思いませんが、
フレームは可愛いのが多いんですよ。
わたしがふぅ〜んと店内を見ていると、オレンジレンジのメンバーに混じってても
わかんない、髪にヘアワックス付けすぎた男の子店員がすかさず、寄ってきます。
「お客さまのお好みかと・・」
って個性的なフレームあれこれ皿に載せて。
ド・ぴんくのとかラインストーン付きのとか。
皿に太め黒縁のが混じってたんで、
「これは絶対いやっ・フミヤみたいだから」
と突き返すと、「イチオシだったんですが」と自分の眼鏡を指して哀しげ。
まさにフミヤみたいな黒縁眼鏡かけてました。
あら、ごめんなさい。


欲しいなァ、端にきらきらラインストーンついたやつ。
でも、個性派にはみられたくないわん。
そんな岐路に立ってます。