執心

ここ最近の箱マダムがなにしてたかって言うと、DVDのハードディスクに
たまりにたまった録画と格闘してました。160ギガの容量あるはずなのに、
今や残20台のざま。
九州行ったりしてまして。留守中フル稼働してたみたい。
新たに予約いれようとすると「スゴ録」ごときに、
もう無理ってメッセージ出されて、断られるの。こしゃくな人工頭脳め。


九州は実家があるので毎年この時期行くんですけど、さびれた小都市に
目新しい娯楽施設が在るわけがなく、いや・パチスロ屋は国道沿いに
続々オープンしてましたけど。
わたしら夫婦がやることといえば地元の温泉巡りと、野良猫さがしに
尽きるわけです。
故郷で幼いころ親に連れられて行った場所の記憶はうっすらどころか、
まったくない。
「ちっちゃいわたしはどこにも連れていってもらってない」と母親に恨みごとを
言うと、すさんだ都会暮らしのせいでカワイソウニ・被害妄想になった
と同情されるくらい、ない。
イニシエーションもどきに、再体験しようと家族で行ってきましたサファリパーク。
正式名はアフリカンサファリ、ね。
パーク内を移動するバスの金網越し、大バサミを使ってけだもの達に
餌をあげられるんです。
なんか猥褻な象の鼻の中とか、キリンの醜く大きな紫の舌とか間近で見ちゃった。
ライオンや熊の毛並みは、見るからに剛毛で泥まみれ・汚かったけど、
インド虎のつやつや光る毛並みときたら、もうマダム垂涎の的で。
この一頭からダブル幅のコート1着とブーツ、帽子も作れるかしらん、と
皮算用。ソッコ−、毛皮を剥ぎたい衝動を抑えたのでした。
あと、マダムが胸ときめかせたのは仔ライオンと一緒に写真撮ろうコーナー。
小さな肢体にはアンバランスな大きい手足をばたつかせ、
じゃれる愛くるしさにイカレました。いや、だっこ写真は辞退したけど。


サファリからの帰りに修道院(手作りクッキーの販売あります)の看板を見つけ、
好奇心から訪ねてみようという気になり車を向けたのですが、
夏風にそよぐ野原を抜け、すれ違う車もなく静まりかえった道路は舗装されてないし、
やっと辿り着いた高台の修道院には人影どころか気配すらなく、
門口に掲げられた「厳律シト−派」「祈れ、働け」の看板がホラー映画もどきに
不気味でそうなると丹精な花壇の中毅然と建つマリア像もふいに首をねじり
動き出すように見えてくるし、チェーンソー抱えた尼さんが物陰から飛び出してくる
イメージとか。いやはや冷汗かきました。
信仰心のないもの、修道院に立ち入るべからずですわ。

※あとで母に聞いたところ、訪問のチャイムを鳴らすと、その奥の母屋から
売店の男性が出てきて対応してくれるとのこと。
修道女たちは建物のさらに奥に居て、観光客のもてなしはしないそうです。
ちぇっ。