オーラいりません。

近ごろ人気の男性霊能者、オーラとか前世とか守護霊がみえる番組
深夜にやってますね。
かかさず見ているって女が、箱マダムの会社にもいますよ。
喝系の女占い師ホソキ某より、人当たりがよくって強面じゃない
っていうのがミソよね。
(女性的ともいえる)滑らかな口ぶりで、ゲスト芸能人の本性、悩み
を明かしていくあの番組、箱マダムはきらい。
「後ろにぜったい居ますから、守護霊がこう言ってますから」なんて、
その男だけが見えるもの聞こえるもの御神託なぞ、信じられないんだもん。
中世の神秘主義にはおおいなるロマンを感じるんだけど、あの男が、
個人のスタイルや生活の矯正まで強いるのはあつかましいと思うし、
なにさまのつもりかと憤りを感じる。
占いや霊能は在ってもいいが、迷うひと悔やむひと泣きくれるひとたちの
背中をさする程度で。
若手の俳優オダギリさんが出ると聞いたからひさしぶりに番組をみたんだけど、
いやぁ・なんで彼は出演承諾したのか、あんたこのままじゃ早死にするよ、
とか宗教音楽聴いて魂の安らぎを見つけなさい、とか真っ向否定の言われようで、
箱マダムははらはら・かあいそうになって。
確かに、オダギリさんはアーティスティックな言動やおれっぷり婆娑羅な服装
とか、苦笑を誘うところはあるけど、きっとジョニーデップみたいな俳優になりたい・
んだろうな、ってわかりやすいし。
才能のある俳優だから、若い時の奇異は芸の肥やしになると思うの。
家の玄関に飾っている『デッドマン』のポスターがよくないから捨ててしまえ、
なんて細部にわたり否定的に物言われるから、オダギリさんはふてくされて
斜に構えちゃうでしょ、そういうのをまた、悪霊に憑かれてるからしゃんと
椅子に座れないんだと、太った男は指摘する。
オダギリさんの趣味や収集物がはたして霊視によるものか、疑わしいけど、
現在のなにもかもがいただけない・すべて悪霊の謀略によるものだから、
もっとこざっぱり心安らかな生活へと転換すれば長生きできる、と諭してたわな。
まるで、うつ病患者に規則正しい生活が最善と説く医者みたいに。
しまいにゃ、彼のエキセントリックな傾向は孤独な幼少期のトラウマが原因、
だとか太った男は言い放ち、ああ・ずっとひとりぼっちだったんだねかわいそうにね、
と結んだ。オダギリさんの親御さんがこれを見たら、さぞ胸を痛めるだろう。


番組で霊能者仲間として、太った男の隣に座るのは、箱マダム憧れのひと美輪さまで、
若いころは誰よりも退廃の美貌とエキセントリックな輝きを放っていた、あの人が、
今のオダギリさんのことが理解できないはずないのに、だめ・
もはやただのおじいちゃんだわ。
美輪さまは、悪霊の符号にはまった自分の兄の話をオダギリさんにとくとくと
語るんだけど、支離滅裂でね、よくわからないの。
伝説の『聖なる化け物』が・嘆かわしやお労しや。もうおしまい。