今盛り上がってるやつ

ニホンショセン・ガンバレチームニッポン、と至るところでうるさい。
テレビ各局の男性アナウンサーが甲高い声で、色黒のうさんくさいカイセツシャ
と手をとりあってはしゃいでいる(一様にカマっぽい)姿をみるたび、リモコンで
即・消音にする。
球蹴りって、日本人がもっとも好むスポーツだっけ?国技?
日本を代表しているのだから、応援しないと天罰くだる、とか迷信ならまだしも、
「あんな金まみれ利権絡みの大会なんて」と会社で冷ややかなことを口走ったら、
箱マダムは非国民よばわりされましたよ、22才の女に。
にほんこくのことはけして嫌ってないしすきなところはたくさんあるのだけど、
なぜ、球蹴りの応援ごときで国民意識統一しなくてはいけないのだ。
独裁者のやることだ。
件の若い女は、ほんとは六本木のスポーツバーに行って観ると、外国人もたくさん
いるからそれはたいそう盛り上がって、知らない人同士でもハグしたり、
ひょっとしたらいい出会いとかあるかもしれないので行きたいんだけど、会社帰りに
予約なしだと、超キツイ・満員で入れないだろうから、ショセンは諦める、
とか言ってた。
なんだよ、観戦っていうか、『盛り上がりたい』だけかよ。
感動をありがとう、とか勝っても負けても泣くんだろう、どうせ。
4年前の騒動の時も、巷のスポーツバーとか、さいたま辺りのスタジアムとかで
わんわん泣いてる若者をテレビで観た。
近ごろの若い人は、つまらん本を読んでも、子供だましのくず映画を観てもすぐ泣く。
文章がうまいとかプロットが巧みであるとか関係なく、いかに泣けるかが肝だとか
文化も美意識も貧相すぎる。
泣くというカタルシスに依存しすぎだな。情緒不安定だ。
まあ・悪態ばかりついてる箱マダムも、あれですかね。
フットサルチームに入ってるくらい球蹴り好きなハズバンドの傍らで、
そんなことぼやいてると、「もう・うるさいなぁ」といやがられる。
森茉莉の「贅沢貧乏」にみる悪態ばあさんぷりは見習いたいとこなんで、
今後とも矯正しません。