わが悦び

hakomadam2006-07-08

アメ(リカン)ラグ(シー)ですてきなキャンドルを買った。
ちかごろなぜかキャンドルに目がいく。特に変な形の。
黄色や赤のうさぎリアル彫りとか、魔女とかかえるとか。
ラグシーで買ったのは、真っ黒の大かえるが金の王冠かぶってるという、
そう・童話「かえるの王様」をモチーフにしたロマンあふれる一品。
店内のガラスケースに鎮座している姿を見た時から夢中になって、
ほしいほしいとハズバンドに言ったけど、
「うちには骸骨やら青い玉やらへんなキャンドルがいっぱいあるから、
使いもしないもの、もう要りません」とたしなめられて、諦めた。
忘れられなくて、こっそり買いに行ったら、新宿店では完売だと言われて、
他店から取り寄せてもらい、待つこと1週間。
入荷したと連絡があったので店に行くと、なまずひげのような不精面に
ジルコニアの鼻ピアスした若い男が愛想よく、はいはいお待たせしました
と白い包みに入ったかえるをそのまま紙袋に突っ込もうとするので、
オイ・待て念のため中を検めるからと包みを開けさせた。
かえるの王冠がポローンとこぼれ出た。
アッ、と箱マダムが反応すると、なまずひげピアスは途端にもじもじして
「代わりのがあるか探してきますぅ」と店の奥に消えた。
奴は破損のことを知っていたのではないか。
王冠のないかえるはただの爬虫類。重要なモチーフが欠けているのに
頓着なく売ろうとしたとはまったくけしからん。
仁王立ちでレジで待つこと20分。
売り子たちにじろじろ見られて我慢も限界、と思ったところでなまずひげが
帰ってきた。「こわれやすいものなんで、今はこの1つしかありませんけど
近日中にまた入荷すると思うんで、待ってもらえるなら、入荷次第連絡します」
とふにゃふにゃ言うので、箱マダムは顔を真っ赤にして、
あんたは欠陥品を何喰わぬ顔で売りつけようとしたんだよ後で返品に現れても
こわれものだから持ち帰りの時にやっちゃったんじやないですか、とか
言い逃れるつもりだっただろ、と捲し立てた。もちろん入荷を待つさ!
ふん・これでもうラグシー新宿店にはもう行けまい。
ちなみに、おどおどとした男が書いた取り置き控書は誤字だらけだった。


それから数日経ってなまずひげから連絡があった。
他店にひとつ余ったのがあるから、それでよかったら取り寄せますんで、
お買い上げください、と言う。
またどこかに欠陥あるんじゃないか、とこちらも用心していたら、
「エエ・足あたりが欠けてるかも、って聞いてるんですけど、自分も実物確認
したわけじゃないんで、チェックしてみて売れないって判ったら、もちろん
お買上げいただかなくてもいいんで」
箱マダム、電話口で怒り狂う。
まず売れるものかチェック済んでから、客に連絡するのが筋でしょう。
ばかじやないの。
「すいません、お待たせしているのが申し訳なくて、とりあえずこういうのが
ありました、ってお知らせしとこうかと思って・・」怯えた男が小さい声で弁解する。


すったもんだの末、我が家に来たかえる王子はこのとおり、醜いけど冠も足もある
立派なお姿でいらっしゃいます。