スキマ埋めます。

朝、箱マダムが出勤するころに、西新宿ビル街のある地点でよく
すれちがう若い女性がいる。歳は24.5というところか。
服装は、雑誌「流行通信」から抜け出したような流行どおり、
スタイルもすんなりとして、人目を惹くような容姿だから、
箱マダムもすれちがいざますばやく化粧や服装の隅々までチェック
している。愉しみなんである。
それで気づいたのだが、どんな服装の時にも、デニムだろうが
ワンピースだろうが、ミニスカだろうが、その女性の足元は必ずクロエの
フラットシューズだった。
先シーズンものだけど、発売時期にはファッション誌やセレクトショップ
やたら見かけたし、特徴ある金のボタンが房のようについているデザインだから、
忘れない。
たしか4.5万はするもの。それを「ヘビーローテ」で履いてるから、よっぽど
気に入ってるのかしら、と靴愛好者として、その執着わからんでもない。
ところが、大雨の日にも足元はいつものクロエで出勤の姿を見て、幻滅した。
愛する靴のどれも濡らすにはしのびなく、雨の日の箱マダムはたいがい
エミリオプッチのレインブーツを履いている。
この女はわたしのように靴を愛してない。高価な靴を買ったからといって、
服装や天候などに構いなく履き続ける無頓着さがにくい。
あと、同じ会社にいる若くてかわいらしい女子が、肩こり用の肌色シップを
貼ったまま、肩もあらわなキャミ重ね着で社内をぷらぷらしているのを見たとき、
これはうっかりシップを剥がすのを忘れただけでは、といいほうに思ってみたけど、
注意したら、なんか、「うふふーそうなんですよー」って返されたぞ。
一見おしゃれをしているようで、美意識ときたら隙間だらけ。